障害年金請求で初診日の証明が取れないときはどうしたらいい?〜対策その2【第三者証明】

社会保険労務士で産業カウンセラーの加賀佳子(@kako_sr)です。障害年金についての生きた情報をブログでお伝えしています。

障害年金を請求するとき必ず必要になる初診日の証明。ところが初診日のカルテが廃棄されているなどにより、医療機関から証明が取れない場合がよくあります。こんなとき、どういう方法で初診日を証明すればいいのか、3回に分けて書いています。

前回は、2番目以降に受診した医療機関の記録から証明する方法を中心に書きました。

障害年金請求で初診日の証明が取れないときはどうしたらいい?〜対策その1【2番目以降の受診記録により証明する方法】

今回は2回目。「第三者証明」についてです。

第三者証明とは?

第三者証明は、正確には「初診日に関する第三者からの申立書」といい、請求者の初診日の頃の受診状況を見たり聞いたりした「第三者」が申し立てることにより、初診日を証明しようとする書類です。

第三者証明を作成できる「第三者」とは?

請求者の三親等以内の親族は「第三者」と認められません。それ以外の人であることが必要です。

三親等以外の親族、隣人等のほか、初診が学生時代であれば学校の教師や同級生、社会人であれば勤務先の上司や同僚などが考えられます。

また、もしも初診日頃に受診した医療機関の担当医師や看護師等と連絡が取れ、証明してもらうことができれば、とても証明力の強い書類となります(後述します)。

「見たり聞いたりした」とは?

申立てをする第三者が、請求者の通院に付き添った場合や、入院中お見舞いに行った場合、あるいは医師の注意文書などを見たといった場合は、「直接見て知った」ということになります。

また、請求者やその家族などから、「◯◯科に通院し始めた」「◯◯と診断された」「医師から◯◯を止められた」といった具合に、障害年金を請求する病気やケガにより始めて受診した頃の様子を聞いたり、手紙などで知ったという場合は、「聞いて知った」ということになります。

原則として複数の第三者証明が必要

原則として2名以上の第三者証明が必要とされています。

ただし、複数の第三者証明が取れない場合、受診にいたる経緯や、医療機関でのやりとりなどが具体的に示されていて、「相当程度信憑性が高い」とされれば、1名のみの第三者証明であっても認められることがあります。

第三者証明の取扱い

第三者証明は、20歳前に初診日がある場合と、20歳以降に初診日がある場合で、取扱いが異なります。

20歳前に初診日がある場合

20歳前に初診日がある場合は、保険料の納付要件が問われないこと、給付内容が障害基礎年金のみであることから、少なくとも20歳より前に受診していたことが証明できればよいということになります。

そのため、初診日を証明する書類が第三者証明のみであっても、その内容により、請求者の申立てる初診日が認められます。

第三者証明は、請求者の初診日頃または20歳前の時期の受診状況について、基本的に次のいずれかに該当する場合の申立てであることが必要です。

  • 直接的に見て認識していた。
  • 請求者や請求者の家族等から、 初診日頃または20歳前の時期に聞いていた。
  • 請求者や請求者の家族等から、 請求時からおおむね5年以上前に聞いていた。
MEMO
20歳前に厚生年金に加入していた場合で、初診日が厚生年金加入期間にある場合は、20歳以降に初診日がある場合と同様の取扱いになります。

20歳以降に初診日がある場合

20歳以降に初診日がある場合は、保険料の納付要件が問われること、初診日に加入していた年金制度により給付内容が大きく異なることから、より厳密に初診日を特定しなければなりません。

そのため、第三者証明とともに、参考となる他の資料(前回の記事を参照して下さい)を提出し、両者の整合性などが確認された上で、請求者の申し立てる初診日が認められることとされています。

第三者証明は、請求者の初診日頃の受診状況について、基本的に次のいずれかに該当する場合の申立てであることが必要です。

  • 直接的に見て認識していた。
  • 請求者や請求者の家族等から、 初診日頃に聞いていた。
  • 請求者や請求者の家族等から、 請求時からおおむね5年以上前に聞いていた。

いずれの場合も、「最近聞いた」という内容では、たとえ第三者証明を提出しても認められません。

第三者証明の記載事項

見たり聞いたりした当時に知った内容に基づいて、次のような項目を記載してもらいます。

  • 発病から初診日までの症状の経過
  • 初診日頃における日常生活上の支障度合い
  • 医療機関の受診契機
  • 医師からの療養の指示など受診時の状況
  • 初診日頃の受診状況を知り得た状況

医療従事者による第三者証明

初診日頃に受診した医療機関の担当医師、看護師その他の医療従事者による第三者証明は、医師の証明と同等の資料として扱われ、ほかに参考資料がなくても、その証明のみで初診日が認められます。

とはいえ、初診日頃の受診状況を直接把握できない立場にあった医療従事者が、請求者の申立てに基づいて行った第三者証明では認められませんので、注意して下さい。

まとめ

第三者証明が作成できるのは「初診頃または請求のおおむね5年前に、受診について知っていた人」に限られるため、実際にはなかなかハードルが高いのではないでしょうか。

次回は、前回書いた方法や今回書いた第三者証明によっても初診日が特定できない場合の方法(一定期間要件)について書きます。

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