障害年金請求で初診日の証明が取れないときはどうしたらいい?〜対策その1【2番目以降の受診記録により証明する方法】

社会保険労務士で産業カウンセラーの加賀佳子(@kako_sr)です。障害年金についての生きた情報をブログでお伝えしています。

Twitterに、障害年金に関する”質問箱”を置いてみたところ、先日、初診日の証明に関する質問をいただきました。

質問箱では簡単にしか回答できませんでしたが、この問題、じつはとても深いんです。

ということで、初診時のカルテが残っていない場合にどうすればいいか、また初診日を証明するためにはどのような方法があるか、これから3回にわけて書いていきます。

初診日の証明をめぐる問題

障害年金の初診日がもつ意味については、以前書いたこちら↙の記事をご覧下さい。

障害年金を請求するための最初のステップ。障害年金の初診日について

障害年金は社会保険の制度ですので、保険料を納付していたかなど、いくつかの要件を満たすことが必要で、それらは初診日(または初診日の前日)で見ることになっています。

そのため請求には「受診状況等証明書」という、初診日を証明するための書類が必要です。

この書類は、初診の医療機関で作成してもらうことが原則ですが、ご質問のように、初診日が何年も前にある場合、すでにカルテが廃棄されていたり、その医療機関自体がすでになくなっていたりということが起こってきます。

これが障害年金の請求を難しくするひとつの要因になっています。

MEMO
初診の医療機関と、診断書作成医療機関が同じ場合は、診断書で初診日の証明ができるため、受診状況等証明書の提出は不要です。

初診の医療機関にカルテが残っていない場合はこうする

①レセコン等に受診記録が残っている場合

初診の医療機関で「カルテが廃棄されているため証明できない」と言われた場合でも、レセプトコンピュータなどに、受診日などの記録が残っている場合があります。この場合には、残っている記録からわかる範囲で受診状況等証明書に記入してもらいます。

結果として、初診日や終診日のみが記入され、あとはほとんどが「不詳」や「不明」になる場合も多いのですが、たとえば精神疾患で心療内科や精神科を受診しているなど、傷病によっては、診療科の記載のみで初診日認定される場合もあります。

初診の診療科が内科や整形外科などでは、それのみでの初診日認定は難しくなりますが、他の資料とあわせて提出することにより初診日と認定されることは多いため、初診年月日だけであったとしても、証明してもらうメリットは大きいといえます。

②レセコン等の受診記録も残っていない場合

カルテだけではなく受診記録もなにも残っていなかった場合や、廃院になってしまっている場合、「受診状況等証明書が添付できない申立書」という書類を提出する必要があります。このとき、次のような書類が残っていないか確認し、残っている場合は添付します。

  • 身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳
  • 身体障害者手帳等の申請時の診断書
  • 生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書
  • 交通事故証明書
  • 労災の事故証明書
  • 事業所の健康診断の記録
  • インフォームド・コンセントによる医療情報サマリー
  • 健康保険の給付記録
  • 次の医療機関への紹介状
  • お薬手帳・糖尿病手帳・領収書・診察券 (可能な限り診察日や診療科が分かるもの)

ほかにも救急搬送の証明書、メガネやコンタクトレンズ作成時の記録(眼の障害の場合)、家計簿や手帳の記録、通知表の生活記録などが参考になった例もあります。ひとつだけでは初診日を証明できなくても、合わせ技で証明できる場合がありますので、少しでも参考になるものがないか、探してみて下さい。

あわせて、次に受診した医療機関に「受診状況等証明書」を依頼します。もし、次に受診した医療機関にもカルテや受診記録が残っていない場合は、同様に「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成し、その次に受診した医療機関に「受診状況等証明書」の作成を依頼します。

初診はずいぶん昔なので、当時の書類は何も残っていません。

社労士 かこ

大丈夫!実際のところはなにも残っていないという方がほとんどです。それでも多くの場合、これからご紹介する方法で証明できています。

2番目以降に受診した医療期間の記録で初診日を証明する

ここでは初診の医療機関をA病院、以降受診した順番にB病院、C病院とします。

A病院からの紹介状を持ってB病院を受診した場合、B病院にその紹介状が残っていることがあります。その場合は、B病院の受診状況等証明書に、A病院の紹介状のコピーを添付するだけで初診の証明はOKです。

とはいえ、B病院に紹介状が残っていなかったり、そもそも紹介状を持たずに転院することもよくあることですね。

それでも、転院先を初めて受診するときには、発病からの経過や治療歴を伝えることがほとんどだと思います。B病院やC病院の医師等は、それをカルテに記載します。その記載が重要なんです。

たとえば次のような記載です。

「右上肢のしびれや違和感を受診し、平成◯◯年◯月頃、近医整形外科受診」

「不眠が続き、大学2年時にA病院を受診」

こういった記載が、障害年金を請求する前おおむね5年以上前にされている場合は、それのみで初診日を認めることができることとされています。

また、障害年金を請求する前5年以内に記載されている場合には、他の資料とあわせて初診日を認定することとされています。このとき、初診の医療期間のレセコン記録などで日付だけでも証明できたり、診察券が残っていたりすると強いですね。

いずれの場合も、受診状況等証明書にA病院受診の経過を含めて記入してもらい、できれば該当部分のコピーを添付するのがベストです。

MEMO
初診日のある年月までは特定できるものの、日付が特定できない場合は、その月の末日が初診日と扱われます。

まとめ

2番目以降に受診した医療機関に、最初の受診についての記載がなかったり、時期が特定できなかったり、あるいは記載はあっても5年以内のもので、提出できる参考資料がなにもないといった場合はどうすればいいでしょうか。

次回はふたつめの方法、「第三者証明」について書きます。

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