社会保険労務士で産業カウンセラーの加賀佳子(@kako_sr)です。障害年金についての生きた情報をブログでお伝えしています。
自分で(または家族等が)障害年金を請求しようとするとき、まずは年金事務所や街角の年金相談センター、あるいは市区町村の国民年金の窓口などに相談に行くことになります。
そこで必ず聞かれるのは「初診日はいつ頃か」ということです。
社労士 かこ
なぜ初診日が重要なのか
前回も書いたとおり、初診日はとても重要です。受給の大前提である加入要件や保険料納付要件は、初診日で決まるからです。

また、障害認定日(障害の状態を認定する最初の基準日)も多くの場合は初診日で決まりますし、それにより請求の種類が異なります(障害認定日や請求の種類については、追って詳しく書きます)。
さらに、厚生年金の場合、受給できる厚生年金額は障害認定日がいつになるかにより(つまり初診日が基準となって)変わってきます。
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そのため、年金事務所の受付の段階でも、年金機構本部の審査の段階でも、初診日の確認は慎重に行われます。
障害年金の初診日とは
障害年金の制度上、初診日とは、障害年金を請求する障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
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診療科が違っても、診断がついていなくても、仮に誤診であっても、障害の原因となった傷病の初期症状や関連症状で受診していることが、ある程度明確であれば、そこが初診の医療機関となります。
(「ある程度明確であれば」というのは曖昧な書き方ですが、実際に曖昧なケースも多いのが実情です)
年金機構の資料による具体例
ただし、一部の疾患では、他の取扱いをするケースもあります。日本年金機構の資料では、次のような場合が例示されています。
- 初めて診療を受けた日(治療行為または療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- じん肺症(じん肺結核を含む。)については、じん肺と診断された日
- 障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
- 先天性の知的障害(精神遅滞)は出生日
- 先天性心疾患、網膜色素変性症などは、具体的な症状が出現し、初めて診療を受けた日
- 先天性股関節脱臼は、完全脱臼したまま成育した場合は出生日が初診日、青年期以降になって変形性股関節症が発症した場合は、発症後に初めて診療を受けた日
まとめ
初診日については、相当因果関係や社会的治癒、初診日の証明が取れない場合はどうしたらいいかなど、まだまだたくさんありますので、これからも少しずつ書いていきます。
社労士 かこ
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