自分でできる!うつ病など気分障害・統合失調症による障害年金請求~その2【診断書依頼のツボ】

社会保険労務士で産業カウンセラーの加賀佳子(@kako_sr)です。障害年金についての生きた情報をブログでお伝えしています。

前回と2回にわけて、気分障害(うつ病・躁うつ病など)や統合失調症で、ご本人やご家族などが障害年金を請求する場合(社労士に依頼しない場合)の請求の手順や、ポイントを解説しています。

前回の記事はこちらから。↙

自分でできる!うつ病など気分障害・統合失調症による障害年金請求~その1【初診日特定から病歴申立書作成まで】

診断書を依頼する前にやっておきたいこと

病歴・就労状況等申立書はできれば先に作成する

前回書いた病歴・就労状況等申立書は、年金請求時に診断書などとあわせて提出する書類ですので、いってみれば、請求までにできていればいいものです。

ですが、それをあえて先に作成しましょうというのは、診断書を依頼するとき参考資料として添えるためです。

というのも、精神の障害用の診断書には、発病から現在までの病歴や治療の経過、就労状況などを記入する次のような欄があります。その少し下の方には、治療歴を記入する欄もあります。

上の画像の⑦を見ていただくとわかるとおり、発病からの経過は聴取によって記入することになっています。医師に直接お話するのでも良いのですが、病歴・就労状況等申立書をしっかり記入した上で添えれば、スムーズで、かつ、正確に伝わりやすいです。

前回書いたように、精神障害の場合、現在の状態だけではなく、発病時からの状況が審査の上で考慮されます。就学や就労状況もとても重要です。それらを、審査の上で最重要視される診断書にできるだけ盛り込んだもらうためにも、病歴・就労状況等申立書を活用するというのがねらいです。

また、障害認定日請求(特に遡及請求)では、主治医ではない先生に障害認定日の診断書を作成していただく場合があります。そういった場合には、発病から障害認定日までの状況に加え、その後の状況も、病歴・就労状況等申立書によりお伝えすることができます。

ずっと1箇所の医療機関にかかっているという場合は別として、何度か転院している場合は特に、この方法をオススメします。

障害年金の請求の種類と方法〜障害認定日請求と事後重症請求

日常生活状況のメモを添える・または伝える

等級審査の上で、なんといっても重要なのは、病状による日常生活への制限の度合いです。この点については前々回の記事で書いていますので、ぜひご覧下さい。↙

うつ病など気分障害・統合失調症による障害年金請求で外せない「労働能力」と「日常生活能力」とは

この中で、ご自身の状況を簡単でいいのでメモしてみて下さいと書きました。そのメモを、病歴・就労状況等申立書と一緒に、診断書を作成する医師に渡してほしいのです。もしくは、その内容を医師に伝えて下さい。これはもう、必須といっても過言ではありません。

というのは、普段の診察の中で、たとえば「食欲はどうですか?ご飯は食べられていますか?」とは聞かれても、「ご飯を自分で用意できますか?後片付けはできますか?」とは聞かれないと思います。「眠れていますか?」とは聞かれても、「お風呂に入っていますか?」とも(おそらく)聞かれませんね。

たとえば、病状のためなかなか入浴もできないし、普段は洗面も着替えもせず、ずっと同じ部屋着のままで過ごしている方がいるとします。ほとんど唯一の外出が通院かもしれません。ところがそういった方が、通院時にのみ、どうにか頑張ってシャワーと洗面と着替えをして身なりを整えて診察を受けるとすれば、医師には「清潔保持ができている」と見えてしまうのです。

たとえば片付けができず、部屋が乱雑に(もっといえばゴミ屋敷のように)なってしまっていたとしても、その状態は医師には見えません。それ以外のこともしかりです。

そういった、診察室からでは見えない普段の生活の状態を、医師に把握していただいた上で、日常生活能力を評価していただかなければ、実際よりずっと軽い評価になってしまうおそれがあるということです。

ここは、請求手続きの中で、一番重要な部分といえます。

受診状況等証明書のコピーを添える

診断書には、初診日(診断書を作成する医療機関の初診日ではなく、請求する疾患の症状で初めて受診した日)を記入する欄もあります。

この初診日を、診断書に正確に記入していただくために、受診状況等証明書のコピーも、できれば添えます(初診の医療機関と、診断書を作成する医療機関が同じ場合は不要です)。

診断書の内容を確認する

診断書ができあがったら、その内容は必ず確認して下さい。また、請求前にはコピーも取っておいて下さい。

少し前に、等級判定ガイドラインについて書きました。

精神・知的・発達障害での障害年金請求でおさえておきたい「等級判定ガイドライン」

ここに書いた方法で、「障害等級の目安」を確認することができます。

注意していただきたいのは、日常生活能力の評価をするのはあくまでも医師であるということです。

同業者としては大変お恥ずかしく申し訳ないことですが、ここ数年、この評価の部分をあらかじめ記入して医師のところに持っていくなどし、医師を怒らせてしまう社労士もいるようで、問題になっています(医師が怒るのは当たり前です)。

「障害等級の目安」にあわせて評価をして下さいというのは絶対にNGです。

とはいえ、評価があまりにも実態とかけ離れていると思われる場合には、実際の状態が医師に伝わっていない可能性もありますので、そのまま提出するのではなく、医師に相談してみていただきたいと思います。

ほか、日付関係にもれや誤りはないかなどを確認します。このあたりについてはまた機会をみて書きます。

添付書類をそろえて提出する

病歴・就労状況等申立書は提出前にもう一度見直し、年金事務所などで指示された住民票などの添付書類を添えて、年金事務所か街角の年金相談センターに提出します。

提出前に、書類一式、コピーを残すようにして下さい。

まとめ

うつ病や躁うつ病など気分障害、統合失調症などで障害年金を請求する場合に気をつけていただきたいことを中心に書きましたが、他の疾患にも共通する部分は色々ありますので、ぜひ参照してみて下さい。

特に発達障害や知的障害は共通するところが多いですが、これらについてはあらためて書きたいと思っています。

社労士 かこ

大変そうだから社労士に依頼しようかなという場合は、ここまで書いてきたことの全てをきちんと代行してもらえるかどうか、最初に確認してみて下さいね。

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