自分でできる!うつ病など気分障害・統合失調症による障害年金請求~その1【初診日特定から病歴申立書作成まで】

社会保険労務士で産業カウンセラーの加賀佳子(@kako_sr)です。障害年金についての生きた情報をブログでお伝えしています。

前回は気分障害(うつ病・躁うつ病など)や統合失調症の認定の基準や、審査の上でポイントとなる「労働能力」と「日常生活能力」について書きました。

うつ病など気分障害・統合失調症による障害年金請求で外せない「労働能力」と「日常生活能力」とは

今回と次回の2回にわけて、ご本人やご家族などが障害年金を請求する場合(社労士に依頼しない場合)の請求の手順や、ポイントなどを具体的に解説します。

初診時期を特定する

まず最初に初診日を確認する必要があります。

ここでいう初診日とは、障害年金を請求する傷病による疾患で初めて医療機関を受診した日です。必ずしも精神科や心療内科を受診した日というわけではなく、たとえば「最初は不眠や体調不良について内科で相談したところ、睡眠剤や抗不安薬の処方を受けた」といった場合は、その内科が初診医療機関となります。

また、最初は違う診断(たとえば不安障害や強迫性障害など)で、その後診断が変わったという場合も、ほとんどの場合はひとつの疾患とあつかわれ、最初の医療機関を初めて受診した日が初診日となります。

初診日について、詳しくはこちら ↙ をご覧下さい。

障害年金を請求するための最初のステップ。障害年金の初診日について 障害年金の初診日で問題となる「相当因果関係」とは

可能であれば、年金事務所に行く前に、初診の年月まで特定できればベストです。診察券やお薬手帳、領収書、日記や家計簿などの記録などがあれば確認してみて下さい。わからなければ、だいたいの記憶だけでも大丈夫です。

保険料納付要件などを確認する

次に、年金事務所や街角の年金相談センターなどに行き、相談します。

20歳前に初診日がある場合や、初診日に加入していた制度が国民年金の場合などの一部は市区町村の国民年金担当窓口でも相談可能ですが、初診日に加入していた制度がはっきりしないような場合は、年金事務所か年金相談センターに行く方がいいと思います。

年金事務所や年金相談センターは予約制となっており、かなり先まで予約が取れない場合があります。事後重症請求などでは、手続きが遅れることにより不利益になりますので、そういった場合は、予約なしで行って待つ、という方法もあります。

(遅い時間に行くと、待ち人数により、予約外の相談は受け付けてもらえないことがありますので、予約なしで行く場合は頑張って早い時間に行くのが無難です)

基礎年金番号がわかる書類や、ご家族などが代わりに行く場合は委任状などが必要です。詳しくはこちら ↙ をご覧下さい。

参考 年金相談をされるときのお願い日本年金機構

年金事務所などでは、障害年金の制度や手続きの流れなどについて詳しく説明して下さるはずです。同時に、初診時期に加入していた制度、保険料の納付要件などを、年金記録から確認します。

20歳以上で受給できる障害年金のしくみと要件についてあらためてまとめてみた

ここで明らかに保険料の納付要件を満たさないなどの場合をのぞき、手続きに必要な書類が渡されます。主な書類は次のとおりです。

  • 受診状況等証明書
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 診断書(精神の障害用)
  • 年金請求書など

ただし、初診時期が特定できない場合など、まずは受診状況等証明書などの一部の書類だけが渡され、取得後に再度来て下さいと言われることもあるようです。

受診状況等証明書を依頼する

受診状況等証明書は初診日を証明するための書類で、初診の医療機関に作成を依頼します(診断書の作成をお願いする医療機関と同じ場合は不要です)。

書式はこちら ↙ からご覧いただけます。

受診状況等証明書

初診の医療機関にカルテや受診記録が残っていない場合は、次に受診した医療機関にお願いすることになりますが、この場合は、最初の医療機関の初診日を別の方法で証明しなければなりません。こうなってくると、手続きはちょっと大変です。社労士に相談してみることもひとつの選択肢です。

病歴・就労状況等申立書を作成する

受診状況等証明書が出来上がるまでには少し期間がかかることが多いため、なるべく出来上がりまでの期間に病歴・就労状況等申立書を作成します。

病歴・就労状況等申立書は、ご本人か、本人が書けない場合はご家族など、ご本人の状況をよく知る方が作成する書類です(社労士に依頼する場合は、社労士がヒアリングなどに基づき作成するのが普通です)。

書式は ↙ このようになっています。

病歴・就労状況等申立書

病歴・就労状況等申立書には、発病からの経過(病状や治療歴など)をできるだけしっかりと記入します。というのも、等級判定ガイドラインの「総合評価の際に考慮すべき要素の例」では、精神障害について、次のような記載もあります。

  • 統合失調症については、療養及び症状の経過(発病時からの状況、最近1年程度の症状の変動状況)や予後の見通しを考慮する。
  • 統合失調症については、妄想・幻覚などの異常体験や、自閉・感情の平板化・意欲の減退などの陰性症状(残遺状態)の有無を考慮する。
  • 気分(感情)障害については、現在の症状だけでなく、症状の経過(病相期間、頻度、発病時からの状況、最近1年程度の症状の変動状況など)及びそれによる日常生活活動等の状態や予後の見通しを考慮する。

また、前回書いた「労働能力への制限」や「日常生活への制限」を示すことができる書面のひとつが、この申立書ということになります。休職している場合はその期間、就労している場合などはその状態なども、できる限り詳しく記入するようにします。

裏面の「日常生活の制限」については、診断書と同様、「単身生活で可能かどうか」という観点からチェックして下さい。

MEMO
病歴・就労状況等申立書は、手書きでも、パソコンで作成しても、どちらでも大丈夫です。パソコンで作成する場合、日本年金機構のホームページからエクセル版がダウンロードできます。

まとめ

ここまで来たら、次は、請求手続きの中で最も重要といっても過言ではない診断書の依頼です。

社労士 かこ

次回は、診断書を依頼するとき気をつけたいことを中心に書きますね。

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